季節の花材たち
スタジオに入荷した、お気に入りの花たちを花材集としてまとめました。
フラワーデザインや、日々の花管理にお役立ち頂ければと思います。
スタジオに入荷した、お気に入りの花たちを花材集としてまとめました。
フラワーデザインや、日々の花管理にお役立ち頂ければと思います。
ナデシコ科 ナデシコ属(ダイアンサス属)。
学名は、Dianthus caryophyllus。
別名は、オランダセキチク、ジャコウナデシコ。
原産地は、南ヨーロッパおよび地中海沿岸地方。
草丈10~100cmの、多年草。
開花期は、4~6月、9~10月頃。
古くから品種改良され、様々な花形や花色があります。
タイプ的には、大きく分けると3つに分かれます。
一つは八重咲の花を一茎に一輪付けるスタンダード、もう一つは枝分かれして花を付けるスプレー、最後に矮性で鉢花用となるポットタイプです。
花色には、赤・ピンク・白・黄・緑・複色があり、珍しいものでは遺伝子組み換えで出来たブルー紫の「ムーンダスト」があります。
母の日に有名な花なのですが、高温多湿が苦手な為、実際にはその時期はあまり花もちは良くありません。
切花としては、気温が低く湿気の少ない春や秋がお勧めの花です。
アレンジメントとして用いるポイントは、ラインとしてではなくマス(塊)として使うこと。
花弁の美しさが映えますよ。
バラ科、シモツケ属。
学名は、Spiraea cantoniensis。
別名は、スズカケ(鈴掛)。
原産地は、中国。
樹高1~1.5mの、落葉低木。
開花期は、4~5月。
春から初夏にかけて出回る、人気の花。
近縁種に、雪柳やシモツケがあります。
ちなみに、名前が良く似ているオオデマリは、全くの別種です。
切花では、1~3月のものは、促成物と呼ばれる温室育ちです。
花付きは少なく、葉の色が明るい黄緑色。
特徴は、散りが少なく長持ちです。
反対に、4~5月初めのものは露地物になり、花はたっぷりと付き豪華です。
でも、気温が高い頃ですので散りやすく、持ちも良くありません。
長く優雅に伸びるラインは、そのまま花瓶に挿しても華やかで美しいです。
なげいれや剣山いけにお勧めです。
吸水スポンジを使ったアレンジメントでは、咲かずに枯れてしまう現象が多く発生します。
そのため、予め切花栄養剤をスポンジに含ませておきましょう。
そうすれば花が良く咲き、長く楽しめますよ。
アブラナ科 アラセイトウ属(またはマッティオラ属)。
学名は、Mathiola incana。
和名は、紫羅欄花(アラセイトウ)。
原産地は、南ヨーロッパ。
草丈50~100cmの、耐寒性一年草植物。
開花期は、11~5月頃 。
咲き方には、一重と八重があります。
八重咲きには種子が取れず、一重咲きから採種し、その中から出てきた八重の品種を育てます。
不思議な気がしますが、結構多く採れるそうです。
花色には、赤、白、クリーム、ピンク、紫があります。
花には甘い香りがあり、特に夜間良く香ります。
切花として出回るのは11月頃からです。
一本立ちと枝分かれするスプレータイプがあります。
花時期が長く、春の終わり頃まで出回ります。
耐寒性のため寒さには強いですが、暑さにはとても弱く、初夏になると極端に花持ちが悪くなります。
切花は八重が人気の為、一重はあまり出回りません。
一本に多くの花を付ける為、切花栄養剤はこまめに補給します。
養分は不足すると、花が小さくなり間延びします。
春の花と相性が良くアレンジにも使い易いので、春にお勧めの花材です。
ボタン科 ボタン属。
学名は、Paeonia lactiflora。
別名は、エビスグサ(夷草)。
原産地は、中国東北部、シベリア。
草丈60~120cm 、多年草。
開花期は、4月~6月。
大輪に咲く華やかな芍薬。
根に薬効成分があり、漢方薬の原料にも使われています。
効能は、鎮痛作用や鎮痙作用、冷え症や婦人病作用など。
花色は、白・紅・紫・桃・黄が有ります。
咲き姿は、一重から八重咲まで様々。
近年切花で人気なのは、豪華な八重咲タイプです。
良く間違われる牡丹と芍薬。
どこが違うのかご存知でしょうか。
芍薬は草本性で冬には地上部が枯れるのに対し、ボタンは木本性で冬にも枝が残ります。
だから株元で見分けられるのです。
切花で楽しむには、必ず切花栄養剤を使用します。
糖分をかなり必要とする花で、真水では咲くことは出来ないのです。
又、蕾を購入されると咲かないことも良くあります。
お買い求めになる時は、出来るだけ開きかけたものを選ぶようにしましょう。
ただし、一重タイプのものは咲き易い為、蕾が固くても大丈夫です。
ガマズミ科(旧:レンプクソウ科) ガマズミ属。
学名は、Viburnum。
別名は、スノーボール、セイヨウガマズミ、セイヨウテマリカンボク。
原産地は、ヨーロッパ、北アフリカ 。
樹高2~3mの落葉低木。
開花期は、4~5月頃。
紫陽花に間違われる花ですが、アジサイはユキノシタ科になります。
同じ仲間では、オオデマリやガマズミ等があります。
花は全て装飾花になり、結実はしません。
花色は、始めのうち黄緑色をし、満開を迎える頃に白に変化します。
オオデマリとよく似ていますが、葉の形状とうつむき加減の咲き姿で見分けが付きます。
切り花では、一年を通し輸入物として出回っています。
国産のものは、3月後半から5月初め頃まで。
高級花材の一つになりますが、国産の時期は価格が多少控え目になります。
また、国産は花付きの良いものも多く、旬を迎える4月頃はお勧めの花です。
管理には、必ず切花栄養剤をご使用ください。
水を良く吸いますので、小まめな補水と栄養補給をお忘れなく。
より花を知りたくなれば、ぜひラ・ピエスのレッスンへお越し下さい。
季節の花々を揃え、お待ちしております。