季節の花材たち
スタジオに入荷した、お気に入りの花たちを花材集としてまとめました。
フラワーデザインや、日々の花管理にお役立ち頂ければと思います。
スタジオに入荷した、お気に入りの花たちを花材集としてまとめました。
フラワーデザインや、日々の花管理にお役立ち頂ければと思います。
イソマツ科 イソマツ属。
学名は、Limonium。
別名は、リモニウム、花浜匙(ハナハマサジ)。
原産地は、地中海沿岸や世界中の海岸。
草丈40~100㎝の、一年草もしくは多年草(品種により違う)。
開花期は、5~7月頃。
華やかな色を持つスターチス。
この部分は萼片になり、その中で小さな白や黄色に咲くものが花になります。
萼片はドライフラワーとして楽しむことも出来ます。
色は、白、黄、ピンク、オレンジ、紫など様々。
古来は、下痢止めの薬草として使われていたそうです。
切花では「Limonium sinuatum」と、ハイブリッドの「Limonium hybrid」が出回ります。
ハイブリッドは交雑で生まれた改良品種。
小振りの萼片が特徴。
特にシネンシス系は色が豊富でとても人気があります。
暑い夏、花もちの良いスターチスは有難い花材の一つです。
キキョウ科の植物はいくつもありますが、キキョウ属はこの一種だけになります。
花色は紫と、他に白やピンクがあります。
茎や葉は、傷を入れると白い樹液が出ます。
根には薬効成分が有り、漢方薬に利用されています。
秋の七草のひとつですが、梅雨の頃から切花で出回ります。
ただし、暑い時期は葉や茎が痛み易く、灰色かび病なども出やすくなります。
温度の管理に注意しましょう。
涼し気な星形の紫の花は、夏にぴったりでお勧めです。
ユキノシタ科 (アジサイ科)アジサイ属。
学名は、 Hydrangea macrophylla。
別名は、シチヘンゲ。
原産地は、日本 。
樹高1~2mの落葉低木。
開花期は、5~7月頃。
色付く花弁はガク(装飾花)、本来の花はその中心にあり目立ちません。
なかには花(両性花)が退化し、ガクだけのものもあります。
流通している華やかな品種は、日本原産のものを欧米で改良し日本に戻ってきたものです。
セイヨウアジサイと呼ばれています。
色が濃く、暑さや日光に強いのが特徴です。
又、秋色アジサイと呼ばれるものもありますが、これは花(両性花)が終わり、ガク(装飾花)が退色したものです。
尚、アジサイには毒性があると言われ、未だ解明されていないことが多くあります。
お料理に添えたり、食するのは避けましょう。
切り花では、一年を通し輸入物が出回っています。
国産では6月から7月頃。
7月には秋色に変化しています。
どちらも風情があり素敵な花です。
旬の時期は、ぜひお楽しみ頂きたいです。
ゴマノハグサ科 ベロニカ属。
学名は、 Veronica。
別名は、ルリトラノオ(瑠璃虎の尾)、英名ではスピードウェル。
原産地は、北半球。
草丈10~100cmほどの、耐寒性多年草植物。
花色は、青・紫・白・ピンク。
開花期は、6~8月。
ベロニカの仲間は多く、姿形はかなり異なります。
大きくは、穂状に形成するものと、はい性の小型のものに分かれます。
切花は穂状に咲くタイプのものです。
こちらは虎の尾っぽに似ていることから、トラノオとも呼ばれています。
ちなみにオカトラノオという花もありますが、こちらは花色が白のサクラソウ科で、全くの別種です。
また、よく似た姿にクガイソウがありますが、こちらはゴマノハグサ科クガイソウ属で属性が違うものです。
花は下から咲きすぐに散ることから、さよならの意味をもつ“スピードウェル”とも呼ばれます。
蕾が次から次に咲くので、比較的長く楽しめます。
暑さに対してもある程度の強さがあり、6月から7月にはお勧めの花。
ただし水下がりしやすい為、雑菌が繁殖しないように切り花栄養剤を用いて管理すること。
葉はもともと柔らかく、下に垂れ下がるように付くのが特徴です。
バラ科 キイチゴ属。
学名は、Rubus。
別名は、セイヨウヤブイチゴ(西洋藪苺)。
原産地は、北アメリカやヨーロッパ。
高さ2~3メートルの、落葉低木。
開花期は4~6月、収穫期は6~8月頃。
立ち性と蔓性に分けられる樹木。
果実は熟すと赤や黒になり、甘味と酸味があります。
葉には薬効性として利尿作用があるといわれています。
切花で流通するのは、実が緑から赤に色付き始めたものになります。
必ず切花用栄養剤を用いて楽しみます。
真水の管理では、実は直ぐに痩せ、黒く乾燥してしまいます。
選ぶ基準は、実や葉に艶があり、葉色は濃い緑の物を選びましょう。
たわわになる実がとても可愛らしい花。
ショウガ科 ウコン属(クルクマ属)。
学名は、Curcuma。
別名は、キョウオウ、ハルウコン。
原産地は、東南アジア。
草丈30~100cmの、球根多年草。
花期は、7~9月頃。
食卓に並ぶ、ショウガやウコンの仲間です。
ただし、食用や薬用とは違い、観賞用として栽培された品種。
色はピンクや白にグリーンがあり、華やかな色合いが美しい、この時期人気の植物です。
この美しく色付いた部分は、実は花ではなく「苞」と呼ばれるもの。
実際の花は苞の中にあり、小さな弁のような咲き姿です。
いくつもの蕾を持ち、次から次へと咲き続けていきます。
夏場は花の少ない時期、華やかでもちの良いクルクマは有難い存在です。
ところでこのクルクマ、熱帯植物ですので寒さと乾燥は苦手。
エアコン下で楽しむ場合は冷気の通り道を避け、こまめな霧吹きを行いましょう。
苞の間に水が溜まるくらいが理想的です。
又、花が咲いている間は苞も元気な為、目立たなくても蕾を咲かせ続けるよう切花栄養剤で管理することを心掛けてください。
ヤマモガシ科 リューカデンドロン(ギンヨウジュ)属。
学名 Leucadendron。
別名 銀葉樹(ギンヨウジュ)。
原産地 南アフリカ、オーストラリア。
樹高1m~10mの常緑低木。
開花期 5月~10月。
花に見える色付いた先端部分は苞葉(ほうよう)と呼ばれ、葉の変化したものです。
花はその中にあります。
花は雌雄異株になり、雌花は球状形、雄花は円錐形に付きます。
色は、黄緑や黄色に赤があります。
苞葉は水から上げても綺麗な形状で残る為、ドライフラワーとして楽しむことが出来ます。
耐寒性・耐暑性共に有りますが、切花は極端な高温や低温の中では葉を変色させてしまいます。
夏は風通しの良い涼しい場所で、秋は暖かい場所で管理すること。
切花栄養剤が不要の植物に分類されていますが、実際には花を持っている為、使用する方がお勧めです。
暑さで花が持たない夏や、リース制作にお勧めの花です。
キク科エキノプス属(ヒゴタイ属)。
別名は、エキノプス。
原産地は、西アジア、地中海沿岸。
草丈50~100cmの多年草。
開花期は、6~9月頃。
代表的な品種では、濃い青が特徴の「ベッチーズブルー」があります。
又、花がよく似た近縁種の「ヒゴタイ」があります。
アザミによく似ていますが、こちらはキク科アザミ属になり別種です。
花は頭頂部から咲き、徐々に下へと咲いていきます。
切花では、暑くなり始めた頃に出回ります。
多くの花を付ける為、切花栄養剤のご使用をお勧めします。
乾燥させると綺麗なドライフラワーにもなります。
より花を知りたくなれば、ぜひラ・ピエスのレッスンへお越し下さい。
季節の花々を揃え、お待ちしております。