季節の花材たち
スタジオに入荷した、お気に入りの花たちを花材集としてまとめました。
フラワーデザインや、日々の花管理にお役立ち頂ければと思います。
スタジオに入荷した、お気に入りの花たちを花材集としてまとめました。
フラワーデザインや、日々の花管理にお役立ち頂ければと思います。
ヤマモガシ科 レウコスペルマム属
学名は、Leucospermum cordifolium。
別名は、レウコスペルマム。
原産地は、南アフリカ。
樹高1~2mの常緑小低木。
開花期は、3~5月頃。
寒さと過湿に弱いため、国内で栽培するのは難しい花。
名前は、花の咲き姿が針山に似ていることから付いています。
この針のように見えるもの、実は花弁ではなくひとつの花。
先端が雌蕊になり、頭状花序(とうじょうかじょ)という構造になります。
花もちはとても良く、長く楽しむ為に必ず切り花栄養剤を与えて管理しましょう。
切花では秋に良く出回ります。
形がとても個性的ですが、意外にも和の雰囲気に合います。
秋の野草や、紅葉の枝物と合わせると良いですよ。
シソ科 メボウキ属。
学名は、Ocimum basilicum African Blue。
原産地は、アメリカ。
草丈80~120㎝の多年草。
開花期は、7~10月頃。
名前からはアフリカ原産のように思えますが、アメリカ原産の植物。
ダークオパールバジルと、アフリカ原産のカンファ―バジルとの交配種のため、その名が付いたようです。
バジルの中では珍しい多年草です。
不稔性のため種は出来ず、さし芽で殖やされます。
主に観賞用として出回りますが、花も葉も食用可能です。
切花では春と秋に出回ります。
水あげが難しい花ですが、しっかり水の上がったものを選べば切花栄養剤使用で長く咲き続けてくれます。
アレンジにもブーケにも使える万能花材、見かけたらぜひ連れ帰って見て下さいね。
バラ科 ワレモコウ属。
学名は、Sanguisorba officinalis。
別名は、吾亦紅・吾木香・割木瓜。
原産地は、日本・朝鮮半島・中国など。
草丈50~150㎝の多年草。
開花期は、7~10月頃。
花の部分は、楕円形をした赤紫の花穂。
小さな花の集合体です。
花弁は退化し無くなっていて、4枚のガクで形成されています。
有限花序(ゆうげんかじょ)という、上から咲くタイプです。
若葉は食用にされることもあり、仲間のオランダワレモコウはサラダバーネットと呼ばれサラダにされています。
又、根に含まれるタンニンから、漢方薬の止血薬に用いられています。
秋の野草の代表的な花。
切花では8月頃から出回り、暑さにも強いです。
花の集合体ですので、切花栄養剤をご使用下さい。
秋にぴったりの風情のある咲き姿、一輪挿しにお勧めです。
ベンケイソウ科・ムラサキベンケイソウ属(セダム属(マンネングサ属))。
別名は、大弁慶草、オランダセダム。
原産地は、中国・朝鮮半島。
草丈30~80cmの多年草。
開花期は7~10月頃。
多肉質で生命力があることから、弁慶草と呼ばれています。
花房の豪華なものがオオベンケイソウで、園芸用に出回っている殆どがこちらになります。
ベンケイソウとの見分け方は雄蕊の長さ、花弁よりも長いものがオオベンケイソウになります。
秋になると果実になり、ブラウンや赤色に変化します。
ハーブとしての効能もあり、解熱や解毒に用いられることがあります。
暑さに強い花ですが、切花では茎の表皮が水に触れると痛み易く、水を汚す原因になります。
投げ入れやブーケなど、直接水に触れるいけ方ではなく、吸水スポンジを用いるいけ方がお勧めです。
秋には果実が育ち秋色へと変化します。
秋色になればドライフラワーにする事が出来ますよ。
リンドウ科 リンドウ属。
学名は、Gentiana scabra var. buergeri。
別名は、竜胆(リンドウ)。
原産地は、日本、中国。
草丈15~100cmの、多年草。
花期は、9~11月頃。
秋の山野草のひとつ。
たくさんの花を付け、秋の野草の中では一際目立つ存在。
日本全域に生育している植物です。
色は青紫・紫・ピンク・白があり、最近ではバイカラーの品種も出てきています。
根には薬効があり、生薬の「竜胆」の原料になります。
花は日光を浴びると開き、夜は閉じる性質で、中に開かない品種も有ります。
切花では、蕾が次から次へと咲いていき、長く楽しめます。
ただし栄養が不足すると咲かなくなりますので、必ず切花栄養剤を使用すること。
花は光と温度に反応するため、室内では気温の上がる午後から開きはじめます。
夜間でも蛍光灯下で、気温が上がれば開くことがあります。
9月から11月まで出回り、11月のものは葉が紅葉し特に美しいです。
キク科 テンジクボタン属(ダリア属)。
学名は、Dahlia。
別名は、テンジクボタン(天竺牡丹)。
原産地は、メキシコ、グアテマラ。
草丈20~200cm(皇帝ダリアは3~5m)の、球根植物。
開花期は、6月中旬~11月頃。
ダリアは古くから品種改良が盛んで、花形や花色がとても豊富にあります。
その為にダリアの定義は難しく、球根で判別するのが一番となっています。
花色はブルー以外は全て揃い、珍しい色では黒紫の「黒蝶」があります。
花形は、一重から八重咲きまで様々。
特に八重咲系の「カクタス咲き」と「デコラティブ咲き」が、華やかで人気があります。
珍しいものでは、背丈が数メートルに及ぶ「皇帝ダリア」があります。
基本的にダリアには香りは有りませんが、チョコなどの香りが付けられた面白い品種も出て来ているそう。
花は初夏から咲き始め、真夏の暑い時期に咲き難くなり、又秋に咲き始めます。
だから、涼しくなった秋が切り花の旬になるのです。
10月に入ると、様々な色や形態のダリアが花市場を賑わせます。
水あげが難しいとされていますが、切花栄養剤をしっかりと入れて管理すれば大丈夫。
一度水が下がると、上げ直すのが難しい花。
かなりの糖分好きのため、毎日少しずつ栄養剤を追加し、切り口の切り戻しを行いましょう。
ヤブサンザシ-Ribes fasciculatum
学名は、Ribes fasciculatum
別名は、キヒヨドリジョウゴ。
原産地は、日本、東アジア。
樹高1m程度の、落葉低木。
開花期は、4月~5月頃。
名前の由来は、バラ科のサンザシに似ていることから付けられた。
花は雌雄異体。
実は、10~11月ごろに赤く熟します。
苦みと酸味が強い為、生では食さず果実酒にされる。
花市場では、紅葉の先発として並びます。
葉の紅葉も綺麗ですが、朱から赤の実も可愛い枝物です。
直立的で、それでいて少し癖がある為、初心者には扱い辛いことも有ります。
葉と実を切り分け、アレンジに入れると使い易くなりますよ。
実のある枝物ですので、必ず切花栄養剤を使って管理すること。
栄養不足になると、途端に実を落とします。
野性味のある雰囲気が、深まる秋に似合いますよ。
学名は、Hypericum。
オトギリソウ科オトギリソウ属(ヒペリカム属)。
別名は、弟切草(おとぎりそう)。
原産地は、中央アジアから地中海沿岸。
樹高50~100㎝の落葉低木。
開花期は6~7月頃、実期は7~9月頃。
ヒペリカムには落葉樹から常緑樹までたくさんの種類があり、キンシバイやビョウヤナギもこの仲間になります。
花色は黄色で、梅の花に似た形です。
切花では花はメインにならず、可愛く色付いた実が主役。
年中出回りますが、国産の季節は夏から秋になります。
近年は紅葉した葉も人気で、鮮やかに色付いたものが9月後半から出回ります。
殆どの落葉樹は紅葉すると散るのが早いですが、紅葉ヒペリカムは葉持ちが良いのが特徴です。
より花を知りたくなれば、ぜひラ・ピエスのレッスンへお越し下さい。
季節の花々を揃え、お待ちしております。